はやぶさについて(3) -はやぶさ帰還報道とソーシャルメディア-

はやぶさについて(1)および(2)に書いたとおり、はやぶさは一部の天文ファンだけでなく、一般の人々にも強い関心を持たれるようになった。一般の人々へはやぶさの軌跡が伝わるルートとして、既存の新聞、テレビ等の情報ルートと、ブログ、Twitter、ニコ動、はては2ちゃんねる等のソーシャルメディアの2ルートがあった。今回、はやぶさ帰還が社会現象になる経過において、これらのソーシャルメディアが果たした役割はものすごく大きい。かくいう私も、はやぶさブログやtwitterで帰還までの状況の情報収集や、ニコ動にアップされたこれまでの軌跡の動画を見ていた。もし、これらのメディアがなかったらこれほどまでに社会に浸透しなかったと思う。

しかしながら、帰還当日の大気圏突入ライブ中継では、ソーシャルメディアの限界も示すこととなった。

このライブ中継については、結局テレビでは行われず、ニコニコ生放送和歌山大学によるUstreamの配信という形になった。

Wikipediaによると、はやぶさ大気圏突入のライブ中継を観た人は、ニコ動で約21万人、JAXAの配信に36万アクセス、和歌山大学の配信に63万アクセスが殺到し、それぞれ視聴者数が制限されたり回線が繋がりにくくなったりする状況が発生した。ニコ動では有料であるプレミアムユーザーが視聴制限される現象まで発生した。この数字は、動画サイトの視聴者数としては大きい数字だと思うが、視聴率で言えば、仮に50万人が動画サイトをみたとしても、約0.5%にすぎない。たったこれだけで、動画サイトのサーバはパンクしてしまうのが現状である。

私の希望でいえば、やはり現地入りしていたNHKがライブ中継をすべきだったと思っている。それは、たしか科学ジャーナリスト松浦晋也氏が言っていた事だとおもうが、はやぶさの偉業は、かつて人類がエベレストや南極、月へ初めて到達したのと同様、人が作った衛星が小惑星へ赴き、かつ帰ってきた人類初めてのことだと。それは、とてもすばらしいことであり、世界に向けて報道すべきことだったと思う。

なお、BSフジのPRIME NEWSにて、6月18日に2時間枠の中で約1時間半、はやぶさのやぶさ帰還の特集を行った。川口PMと国立天文台天文情報センター広報室長の渡部潤一先生(そういれば、渡部先生の専門は小惑星や彗星なのか)が出演。非常に丁寧な番組の作りに好感が持てた。

※この雑文も(1)(2)同様、今後微修正を繰り返す予定。