はやぶさについて(1) -はやぶさのエンターテイメント性-

2010年6月13日、はやぶさが地球に帰還しました。数々のトラブルに見舞われながら、奇跡的な帰還を果たしたはやぶさは、天文ファンのみならず、多くの人の心を引き付けました。

宇宙科学ミッションであるはやぶさがこれほどまでに注目された理由のひとつとして、はやぶさがさまざまな失敗やトラブル等に直面しつつ、それに対してけなげに立ち向かう姿が、まるで人生をあらわしているようで多くの人の共感を生んだことが上げられます。

いや、はやぶさの7年におよぶ宇宙の航海は、事実でありながら、まるで出来すぎの作り話に見えます。


シナリオプロット的に言えば、

  • はやぶさ打ち上げ、地球スイングバイ(プロローグ)
  • 順風満帆にイトカワに到達しようとした直後に、姿勢制御装置の故障発生(最初のトラブル)
  • 探査機ミネルヴァ着地失敗(大いなる挫折)
  • イトカワタッチダウンチャレンジ(前半クライマックス)
  • 燃料漏洩、姿勢制御不能、イトカワ7週間におよぶ通信途絶(絶体絶命の危機その1)
  • 救出モードへの変更および帰還時期の3年延期(危機の後の微かな希望)
  • イオンエンジン再点火、地球への帰還開始(希望が現実に)
  • イオンエンジン故障による推力不足、故障した2台のイオンエンジンをバイパスし1台のイオンエンジンとして運用、推力を確保。(絶対絶命の危機2からクライマックスへ)
  • カプセル分離、大気圏突入、地球帰還(感動のラスト)

といった感じで、これだけでも映画一本つくれます。(すでにHAYABUSA -BACK TO THE EARTH-がありますが)。きっと、NHKスペシャルもやるでしょう。

はやぶさの川口PMも帰還時の記者会見で「神懸り的に困難を乗り越えてきた」と述べられているが、まさに奇跡とも言えるシナリオで、人々の感動、共感を呼ぶことができる類稀なるエンターテイメント性をもったことが、はやぶさミッションにとっては幸せなことだっと思います。

さらに言えば、はやぶさ自身が宇宙遠方で自律的に制御や航行する機能を備えているため、擬人化や「はやぶさ君」といった愛称など、親しみやすいキャラクターとして広まったことも人気の一因でしょう。

私的には、競走馬のディープインパクトが活躍したとき、やはり競馬ファンの枠を超えた社会現象となり、同じようにエンターテイメント性をもったことを思い出しました。

まぁ、科学もたまにはエンターテイメント性があってもよいと思います。

と、いうことで、はやぶさについてはまだ語りたいことがあるので、今後もひまを見つけて下記のような雑文を書く予定。

なお、この文章は今後も文章追加や微修正を繰り返す予定です(まとまった日本語を書くのが苦手なので)。