サイエンスアゴラ2011 総括セッション「新たな科学のタネのまき方」

いろいろ気になる発言があったのだが、そのなかのいくつかを列挙してみる。

  • 福島というだけで線量の低い所にも人が来ない。(岡田さん)
  • ものを考える機能が東京に集められている日本の構造自体を変える必要がある。痛みを伴う負担が必要。再分配をどうするか。例えばJST(科学技術振興機構)自体を福島に移転するとか。(長神さん)
  • 震災以降、科学コミュニケータ批判に晒されてきた。(榎木さん、横山さん)
  • 科学コミュニケーションには批判を浴びても論争に踏み込んでいくことが必要。(榎木さん)
  • 科学コミュニケーションが共有知になっていない。現場知に留まっている。(横山さん)
  • リスクコミュニケーションの体系化はできても、実装化ができていなかった。(横山さん)
  • 今回の震災、原発事故は政府の処理能力を上回っていた。科学者の処理能力も超えていた。(平川さん)
  • 子供を持つ母親のコミュニティ、Nuclear Citizenshipといったコミュニティが急速に広まった。(平川さん)
  • 市民が官庁に押し寄せてくる。声をあげた者勝ち。重要度・優先度に従えない問題。(横山さん)
  • 原発事故発生からの報道の現場の1ヶ月は、いわば戦争報道。現場ですら何がおきているのかわからない。ソースを明らかにした上で、全てを伝えるスタンス。何がおきているか理解しようとすると、伝えられない。(元村さん)
  • 科学報道は、平常時に戻れない。「科学は楽しい」といった伝えたいことが伝えられない。(元村さん)
  • 今、原発報道に関しては「わからない」ということを伝えようとしている。ただ、「わらかない」と報道されると、読者、視聴者は「いらいら」する。(元村さん)
  • 「個々の人の幸せを追求する」現代の民主主義で、どのように合意形成をするかが課題。(横山さん)
  • これからは、「マスコミ」と「ミニコミ」の組み合わせ。「マスコミ」は個々のニーズには答えられない。(元村さん)
  • 科学コミュニケータは、利害関係に踏み込んでいくことが必要。(長神さん)
  • 税金で食わない科学コミュニケータを!(榎木さん)